代表取締役社長の比企武でございます。
株主の皆様には、平素から格別のご愛顧をいただきまして、誠にありがとうございます。

トップメッセージとして、「2025年3月期の総括」、「2026年3月期見通し」、並びに「中長期見通し」についてご報告させていただきます。

「確実なのは不確実の連続だけ、不確実性の時代は普遍的に続く」

先日お亡くなりになられた経営学者の故野中郁次郎先生の言葉ですが、まさに今期もその言葉通りの1年となったようです。おそらく、そんな時代が“普遍的に”続いていくこととなるのでしょう。

そのような状況において、今期は、コロナ後の状況は確実に良化しつつあることもあり、売上高がグループ全体で138億5,600万円と過去最高を計上いたしました。
これもひとえに、皆様のおかげによるものと心から感謝しております。

しかしながら、主にご葬儀施行数の増加によって売上高は増加しているものの、施行単価は減少を続けており、売上高の伸長ほどには利益額は伸びていないのが現状です。
以前からこの傾向は続いており、今後もさらに進んでいくことが予想されます。

見通しの厳しい環境ではありますが、2026年3月期は売上高約4%、経常利益約3%の伸びを見込んでおります。今期の流れをさらに加速できるよう、精進してまいりたいと考えております。

中長期の戦略を策定するにあたり、葬儀業を主体とする弊社グループのビジネスにとって大きな影響を及ぼすと考えている、急速な「人口減少」「少子高齢化」の流れ、「死亡数」の推移、更に、こうした環境の変化によって様変わりしつつある「生活様式」や「価値観」などを敏感にとらえ、短期的な業績の変動に一喜一憂することなく、中長期的に、いかに成長戦略を実行していけるのかどうかが重要であると、改めて痛感しております。

こうしたなか、本年度から新たな中期経営計画「SL28」がスタートします。
常に企業価値の向上を図ることは大命題となりますが、その両翼を担う一方の土台となる「業績」については、次のようなことをその方針としております。

弊社グループの主力事業ドメインである「式典事業」をはじめとして、適切なマーケット戦略とコストマネジメントの強化などへの注力を継続しておりますまた、既存営業領域の「深耕」だけでなく「拡張」も図ってまいります。
ここ数年、年間2~3斎場の建設を行ってまいりましたが、このペースは維持・継続してまいります。併せてそのスピードを加速することという意味合いから、M&Aにも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
従来、当社のビジネスモデルとして、ご葬儀を中心にライフステージにおける大事なイベントのお手伝いをさせていただくことを収益源としてまいりましたが、この厳しい環境の中、「点」だけでなく「線」あるいは「面」でそのニーズにお応えする必要性があると考え、その一つとして終活総合支援事業「ライフリリーフ」を立ち上げました。これまでのハウスクリーニング事業の「スキル」とともに、更に充実したサービスのご提供ができる体制を整えております。
これと併行して、当社グループの事業ポートフォリオの見直しを図る一環として、前期、八王子ホテルニューグランドの営業終了と事業における固定資産を売却いたしましたが、更に事業ポートフォリオの見直し、遊休資産の活用、処分等を推進し、経営資源の「選択と集中」の実施により企業価値の向上に寄与してまいりたいと考えております。
同時に、さらなるコストアップ圧力に加え、将来を見据えた、サステナビリティ、DX、人的資本等に対する投資、効果的な設備投資の継続等により、確実なキャッシュフローの獲得を目指し、来期以降の成長をより確かなものとしていく所存です。

事業面からの企業価値の向上に対して、その土台を強化すべく、引き続き、事業の最適化を進め、より強靭で持続可能な経営体質の確立を目指した施策を実施してまいります。

次に、企業価値向上のための両翼のもう一方として、「企業理念」の再認識と浸透のために創業100周年に向けての弊社グループのよりどころとしての大黒柱となる、コーポレートステートメント「Sustain100(サステインひゃく)」を策定し、理念の再認識を強化することを展開しております。
改めてもう一度、創業の精神に立ち返り、弊社グループの「存在意義は何か」、「目指すものは何か」、「行動指針は何か」など、その”想い“をもう一度見つめ直し、役職員が行動する体制を確立することを意図し、常に徹底しております。

「変わらないために変わり続ける」

これからも皆様に「役に立つ」「信頼される」「力強く発展する」企業グループであり続けられるよう邁進する所存です。

皆様におかれましては、引き続き、当社グループへのご理解、ご支援、ご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

以上