代表取締役社長の比企武でございます。

株主の皆様には、平素から格別のご愛顧をいただきまして、誠にありがとうございます。

トップメッセージとして、「2024年3月期の総括」及び「2025年3月期及び中長期の見通し」についてご報告させていただきます。

まず、今期の総括についてですが、パンデミックによる混乱も一段落したものの、複数の国家間紛争、金利・為替の変動、これに伴う物価等景気への影響など、見通しの不透明さは残っておりますが、大きな流れとして、ようやく“コロナ前”に戻りつつある状況といえるのではないでしょうか。

おかげさまで、当社グループの業績も順調な回復傾向にあるといえる状況となってまいりました。
コロナ期の落ち込みの反動もあるとはいえ、売上高は、コロナ前の2019年3月期の124億7,000万円を超える、135億200万円、経常利益は10億6,900万円から13億4,100万円となりました。
2025年3月期も、この流れをさらに加速できるよう、精進してまいりたいと考えております。

しかしながら、当社グループのビジネスに大きな影響を及ぼすと考えられる、急速な「人口減少」「少子高齢化」の流れ、更に、こうした環境の変化によって、「生活様式」や「価値観」も大きく様変わりしてきております。
このような大きな流れを念頭に置き、短期的な業績の変動に一喜一憂することなく、中長期的に、いかに成長戦略を打ち出していけるのかどうかが重要であると、改めて痛感しております。

こうしたなか、当社グループの主力事業ドメインである「式典事業」をはじめとして、適切なマーケット戦略とコストマネジメントの強化などへの注力を継続しております
また、当社グループの事業ポートフォリオの見直しを図る一環として、八王子ホテルニューグランドの営業終了と事業における固定資産を売却いたしましたが、これにより、経営資源の「選択と集中」を実施し、より企業価値の向上に寄与するものと考えております。
当社グループは、引き続き、事業の最適化を進め、より強靭で持続可能な経営体質の確立を目指した施策を実施してまいります。

当社グループにおいては、さらなるコストアップ圧力に加え、将来を見据えた、サステナビリティ、DX、人的資本等に対する投資、効果的な設備投資の継続等により、大きな利益の伸びは見込めないものの、確実なキャッシュフローの獲得を目指し、中期経営計画(SL25)及び次期中期経営計画(SL28)に基づき、来期以降の成長をより確かなものとしていく方針です。

さて、当社グループは創業90周年を迎えました。
これもひとえに、ステークホルダーの皆様のおかげと感謝するとともに、更なる責任を痛感しております。

しかしながらこれは、次の100周年に向けての「通過点」でしかなく、むしろ、リスタートの年であると考えており、昨年から、100周年にむけてのコーポレートステートメントとして「Sustain100(サステインひゃく)」をかかげ、中長期の企業価値向上を目指し、サステナビリティ経営にも取り組んでおります。

同時に、当社なりのガバナンス体制を整えるため、経営体制を刷新させていただくことを予定しております。

まず、これまでの部門長を取締役とし、これまで以上に責任と権限を担っていただくことといたします。
一見、昨今の「経営と監督の分離」という流れとは逆行しているような体制と思われる向きもあるかと考えられますが、逆に意思決定をより迅速・効率化することに資すると考えており、また、次の世代のリーダー層の育成も念頭に置いた体制といたしたいと考えております。
当然、管掌部門の強化・成長もさることながら、次々世代のリーダー層の育成についてもその大きな責任を担っていただくことが肝要であるとしております。

また、現竹内副社長には、ガバナンスのさらなる強化という意味合いから、「経営のモニタリング」という視点で、ステークホルダーの代表としての立場から当社グループとかかわっていただくために代表権のない会長にご就任いただくことといたしました。
当社グループの中長期戦略のためのものであり、これからの発展にぜひともご期待いただければ幸いです。

今後も、配当を中心とした株主還元の安定と充実を図ることを堅持し、皆様のご期待にお応えしていく所存です。

皆様におかれましては、引き続き、当社グループへのご理解・ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

以上