株主・投資家の皆さまには、日頃より格別のご支援を賜り、心より御礼申し上げます。

2026年3月期の事業活動について振り返るとともに、今後の戦略についてお伝えしたいと思います。

今期(2026年3月期)の振り返り

当期は、わが国の経済環境がきわめて不透明な一年でありました。雇用・所得環境の緩やかな回復が続いた一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や米国・イランをめぐる国際的な緊張、さらには米国通商政策の変化による原材料価格の高騰と物価上昇が、私どもの事業運営にも少なからず影響を与えました。

こうした環境の中、グループ全体の連結売上高は141億5,000万円(前期比2.1%増)と着実に伸ばすことができました。一方で、営業利益は11億円(同15.5%減)、経常利益は12億7,000万円(同9.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億2,000万円(同25.8%減)となりました。利益面での減少は、社員の処遇改善に伴う人件費の増加、および新規斎場5棟の開設費用など、将来に向けた先行投資によるものが主な要因です。短期的には利益を圧迫しましたが、これは長期的な成長のための必要な投資であると確信しています。

事業別には次のような結果となりました。

式典事業は、売上高102億1,000万円(同0.1%増)と横ばいを確保しましたが、新規斎場の開設費用増加等により営業利益は21億3,000万円(前期比5.8%減)となりました。主要エリアでの死亡者数の減少と家族葬を中心とした小規模化の潮流が続いており、競合環境も激化しています。こうした構造的変化に正面から向き合うために、終活総合支援事業「ライフリリーフ」を開設し、お客様との新たな接点づくりを積極的に進めました。

介護事業は、売上高22億8,000万円(同5.2%増)と堅調な成長を続けています。施設の入居率向上やサービス利用件数の増加が寄与しましたが、処遇改善や採用強化に伴う人件費上昇により、営業利益は前期比24.8%減の8,500万円にとどまりました。人材確保は業界全体の課題であり、引き続き取り組んでまいります。

ホテル事業は、売上高11億2,000万円(同15.0%増)と大きく伸長し、ご婚礼施行組数の増加や業務内製化によるコスト改善が実を結んで、1,200万円の営業黒字(前期は約1,300万円の営業損失)を達成しました。ホテル事業の黒字転換は、グループとして特筆すべき成果です。

今期の主な施策

今期、私どもが特に力を入れた施策は以下の通りです。

第一に、式典事業における施設網の拡充です。2025年6月から2026年2月にかけて、神奈川・東京エリアに家族葬対応ホールを5棟開設しました。葬儀の小規模化というお客様ニーズに正面から応えるための戦略的出店であり、エリアカバレッジの強化とブランド認知度の向上を目指しています。

第二に、「ライフリリーフ」の本格展開です。ご葬儀にとどまらず、相続・法要・仏壇・終活全般をワンストップでご支援する体制を整えました。お客様の一生に寄り添う関係をより深く、より長く築いていくための取り組みです。

第三に、介護事業のM&A推進です。2025年12月にデイサービス事業所「エミーズ湘南ひらつか」の事業譲受を完了し、グループのサービス基盤を拡充しました。

来期(2027年3月期)以降の戦略

来期は、売上高146億円(前期比3.2%増)、営業利益11億4,000万円(同3.4%増)、経常利益13億2,000万円(同3.8%増)、当期純利益7億9,000万円(同27.6%増)を目指します。

今期に先行投資した新規斎場の稼働率向上と費用の定常化が進むことで、利益回復が見込まれます。具体的な重点施策として、式典事業ではテレビCMやWEB広報の強化、ライフリリーフの拡充と顧客コミュニティの構築に注力します。介護事業では、海外人材活用を含む人員体制の強化とM&Aによる事業拡大を継続します。ホテル事業では、ブライダル強化とSNS活用による情報発信に磨きをかけてまいります。

また、グループ横断でDX推進による業務効率化を進め、コスト合理化に努めるとともに、労働生産性の向上を図ります。

増配・譲渡制限付株式(RS)報酬制度の導入について

今期、期末配当を当初予定の17円から18円に引き上げ、年間配当34円(中間配当16円+期末配当18円)とすることを決議いたしました。来期は上期17円(うち上場30周年記念配当1円を含む)・下期18円の年間配当35円(配当性向27.1%予想)を予定しており、今期からさらなる増配を見込んでいます。利益面での厳しい結果となった中での増配ですが、株主の皆さまへの利益還元を重視するとともに、「増配を常に念頭に置く」という方針を体現したものです。

あわせて、第3号議案として、業務執行取締役(監査等委員・社外取締役を除く)を対象とした譲渡制限付株式(RS)報酬制度の導入を提案しています。年間3万株以内・年額5,000万円以内の枠組みで、取締役が中長期の企業価値向上に強くコミットするインセンティブを設計するものです。株主の皆さまと経営陣が一体となって企業価値向上に取り組む関係を強化する意図があり、希薄化率は発行済株式総数の約0.49%と軽微です。

中長期の成長戦略

私どもを取り巻く環境を正直に申し上げれば、葬祭事業においては人口構造の変化により逆風が吹くかもしれません。一方で、「2人に1人がシニア世代」という超高齢化社会の到来は、介護・終活・シニアライフ全般にわたる需要の底堅さを担保しています。家計金融資産の約60%をシニア世代が保有するシニアビジネス市場は、人口減少が続く日本においても数少ない成長市場です。

私どもはこの現実を「脅威」ではなく「チャンス」として捉えています。Sustain100が掲げる「チャンスとリスクは表裏一体」という哲学がまさにここに活きてきます。式典事業を「起点」として、生前マーケットから死後マーケットまでの一連のサービスをつなぎ、お客様の人生全体を支える「トータルライフサポート企業」へと進化していくことが、私どもの中長期的な目標です。

そのための柱は三つです。一つ目は「ビジネスモデルの再構築」、二つ目は「前払式特定取引前受金残高約253億円という互助会事業の強固な財務基盤の戦略的活用」、三つ目は「M&A・新規事業による積極的な事業領域の拡大」です。

創業100周年に向けて――Sustain100が示す道

2033年、当社グループは創業100周年を迎えます。「Sustain100〜持続可能な明日へ〜」は、この節目に向けた私どもの決意表明です。

私どもの原点は社訓にあります。「お客様のために役立つサン・ライフであること」「お客様に信頼されるサン・ライフであること」「お客様のために常に力強く発展するサン・ライフであること」。創業以来変わらぬこの精神を、時代のニーズに合わせながらも「常に変えてはいけない軸」として実践し続けることが、私どもの「100年企業」への道です。

Sustain100が目指す姿は、社会課題の解決を事業機会に変え、お客様にとって「必要不可欠な存在であり続けること」です。それは同時に、環境・社会・ガバナンス(ESG)の各側面においてすべてのステークホルダーから信頼され続ける企業グループであることを意味します。ミッション「恵愛・感謝・真心の想いとともに あなたのそばにいつも」の言葉を胸に、グループ一丸となって歩んでまいります。

株主・投資家の皆さまには、短期的な業績の変動に一喜一憂せず、私どもが描く長期的なビジョンへのご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。

2026年6月吉日
代表取締役社長 比企 武